インフルエンザ急増で「診察追いつかない」――1999年以降で初の現象も なぜ今? 医師「冬にかけてもっと増えるのでは」
インフルエンザの流行が今年2月にピークを迎えた後も、収束していません。感染者数は現在の集計方法になった1999年以降で初めての推移となり、学級閉鎖は急拡大。なぜ今なのか、今後も拡大するのか。医師らへの取材を基に考えます。
■都内のクリニックでは…患者急増
日テレNEWS
有働由美子キャスター
「都内の、あるクリニックの11日の様子です」
患者の母親
「夜中から40度(の熱)出ちゃってたので、解熱剤すぐ使って。でも熱は下がらず」
院長
「インフルエンザと(新型)コロナ(ウイルス)の抗原検査したところ、インフルエンザAが陽性でした」
有働キャスター
「今、インフルエンザの患者が急増しているといいます。いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長は『現状、診察が追いつかなくて…。かなり異例だと思います』と話します。私の周りでもインフルエンザにかかったという話をけっこう聞きます」
■学級閉鎖5倍、「流行ライン」超え続く
日テレNEWS
小野高弘・日本テレビ解説委員
「私の周りでも同様です。学級閉鎖も相次いでいるそうです」
「日本学校保健会によると、全国4万の保育所や幼稚園、学校などのうち、インフルエンザが原因で学級閉鎖になったのは9月1日には42クラスでしたが、その1週間後の8日には一気に5倍の200クラスにまで広がったそうです」
「厚生労働省が発表している、定点1医療機関あたりの感染者数の推移をグラフで見てみます。今年2月にピークを迎えました。その後減りましたが、注目は(流行していることを表す)『流行ライン』をずっと超えていることです」
「収束せずに流行が続いている現象は、現在の集計方法になった1999年以降初めてのことだそうです」
■コロナも影響…医師「免疫力が低下」
日テレNEWS
有働キャスター
「なぜ、このような異例なことが起きているのですか?」
小野委員
「3つのポイントから見ていきます。まずはなぜ今、これほど流行しているのか。伊藤院長は『過去3年以上インフルの流行がなく、免疫力が低下している。その上マスクを外すようにもなり、感染が広がりやすくなっているのでは』と分析しています」
有働キャスター
「今後も広がっていくということですか?」
小野委員
「警戒した方が良さそうです。感染症・呼吸器疾患が専門の日比谷クリニックの加藤哲朗副院長は『冬にかけて患者の数はもっと増えるのではないか。海外からの旅行者も増え、イベントなどもコロナ前のように戻り、人が集まる機会が多くなっている』と言います」
■ワクチン接種と今できる予防策は?
日テレNEWS
小野委員
「伊藤院長は『ワクチンを打てるのは10月から。今は打てないが、10月以降打てるようになったら、例年の11月や12月より2~3週間早く打ってもいいのでは』と助言します」
「また今からできる対策として、伊藤院長によると手洗いやマスク着用はもちろん、栄養と睡眠をしっかり取ること、換気をしっかりやることを心がけると良いそうです」
有働キャスター
「まずは体調を整えて、少しでも優れないなと感じたら、ぜひ無理をしないようにしてください」
(9月11日『news zero』より)