「咽頭がん」患者数が急増!?寿命を左右する“のどの衰え”…名医が警告する“3つのサイン”!のどを鍛える方法もご紹介

「咽頭がん」患者数が急増!?寿命を左右する“のどの衰え”…名医が警告する“3つのサイン”!のどを鍛える方法もご紹介

 

 

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。

メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。

ドクターは西山耳鼻咽喉科医院 院長 西山耕一郎 先生です。

 

今回のテーマは「~寿命を左右する“のどの衰え”~名医が警告する!3つのサイン」

 

食事をする・会話をする・呼吸をするなど、健康に暮らすために大切な役割のある「のど」ですが、気づかないうちに衰えている事が多いそうです。しかも、のどの衰えが寿命を左右する事もあるのだとか。そこで今回は「のど」について徹底リサーチ!のどの異変から浮かび上がる衰えや意外な病気、のどを鍛える方法などを専門医に教えてもらいました。

 

●のどは年齢とともに衰える!?

先生によると、のどは40~50代にかけてだんだん衰え始めるそうです。のどが衰えると、誤嚥性肺炎を起こしやすくなるので注意が必要なのだとか。誤嚥性肺炎とは、食べ物などが誤って気管に入り(誤嚥)、肺に炎症などを引き起こす病気。死亡原因の6位で、年間約5万人の方が亡くなっているそうです。

 

●のどの衰えがわかる!簡単「水飲みチェック法」

気づきにくいのどの衰えを簡単にチェックする方法をご紹介します。

 

<水飲みチェック法>

▼水100mLを普通に飲んでタイムを計測しましょう

(※普段通りのスピードで飲むようにしてください)

(※嚥下障害や誤嚥性肺炎と診断されている方は行わないでください)

先生によると、年齢が進むほど水を飲むスピードが落ちていくそうです。飲み終えるのに10秒以上かかる場合や途中でむせてしまった場合は、のどが衰えている可能性があるそうです。10秒以内に飲めた場合も、食事中にむせる・声がかすれてきた・錠剤が飲みにくいといった症状ものどの危険な衰えのサインだそうです。

 

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

 

●のどの衰え3つのサイン(1)食事中にむせる

先生によると、むせる原因はのど仏の機能低下が考えられるそうです。

 

<のど仏について>

のど仏は、のどを保護する役割がある「甲状軟骨」といわれる骨の一部。一般的に男性の方が飛び出しているため勘違いされがちですが、女性にもちゃんとあるそうです。

 

<むせる原因は?>

そもそものどは、呼吸をするための気管と胃につながる食道に分かれているそうです。食べ物を飲み込もうとすると、まずのど仏が上に上がります。続いて、喉頭蓋がのど仏に押されるように動き、気管をぴたっと塞ぎます。喉頭蓋とのど仏が連動する事で食べ物を食道に送り込み、誤嚥を防いでいるのだとか。しかし、のど仏を動かす「喉頭挙上筋群」という筋肉が衰えると、食べ物を飲み込んだ時に上がるはずののど仏が上がらないので、喉頭蓋でせき止められず、食べ物が気管に入り「誤嚥」を起こしてしまうそうです。

 

<食事中のむせや誤嚥対策に!のどの筋トレ「メンデルソン法」>

▼のど仏を意識して唾を飲み込む

▼のど仏が上がるので指で押さえて上がった状態を3秒間キープし戻す

▼1日10回を3セット

毎食前やテレビを見ながらなど隙間時間に行いましょう。食事前に行うとのどのストレッチにもなるのでオススメだそうです。

 

●のどの衰え3つのサイン(2)声がかすれる

声がかすれるのは、声帯に問題がある事が考えられるそうです。

 

<声帯について>

声帯とは、のど仏のやや下にある2本のひだの事。呼吸をする時は声帯が開き、音は鳴りません。声を出そうとすると声帯が閉まり、肺からの空気で声帯を振動させる事で声が出るそうです。

 

<声がかすれる原因は?>

声帯を開け閉めしているのは、「内喉頭筋」という筋肉。この筋肉が衰えると、声帯がきちんと閉まらなくなり隙間ができてしまうため、かすれた声になってしまうのだとか。さらに、のどの収縮力が弱まっているので誤嚥もしやすくなるそうです。

 

<声帯と握力の関係>

握力は、全身の筋肉量を測る指標の1つで、握力の低下は全身の筋力の衰えを示すサインだそうです。そのため、握力が衰えているとのどの筋肉も衰えており声帯にも影響を与えている可能性があるのだとか。声がかすれていなくても、ペットボトルや瓶の蓋が開けづらいなど握力の低下を感じている場合は、注意が必要だそうです。

 

●のどの衰え3つのサイン(3)痰がからむ

食後に痰がからんでいる場合は、食べ物を誤嚥している場合があるそうです。

 

<痰がからむ原因は?>

痰は、異物に対する防御反応の1つだそうです。そのため、誤嚥で気管に食べ物などが入ると、肺の奥で炎症が起き痰の分泌が多くなってしまうのだとか。つまり、食後に痰がからむ場合は、すでに誤嚥をしている可能性があるそうです。

 

<大切なのは痰を吐き出す「咳の力」>

先生曰く、痰がからむ場合に重要なのが痰を排出するための咳の力。痰をうまく出せないと気管に入り、誤嚥性肺炎になる可能性がさらに高まってしまうそうです。

 

<咳の力をアップする簡単トレーニング>

咳の力をトレーニングするために、医療の現場でも使われているのが、お祭りなどで見かける「吹き戻し」。1日30回10秒間吹き続ける事で痰を吐き出す力のトレーニングになるそうです。

 

<名医直伝!咳の力をアップするペットボトル体操>

吹き戻しがなくても、柔らかいタイプの500mLペットボトルを使って簡単にトレーニングができるそうです。

▼蓋がない状態でペットボトルをくわえる

▼息を吸ってペットボトルを潰し 吐いて膨らませる

▼1日10回を3セット行う

咳の力だけでなく、のどの力も強くなるので誤嚥したものが出しやすくなるそうです。また、ペットボトルは柔らかいタイプの500mLから始めて、慣れたら硬いものや1Lのものを試していくと良いとの事です。

 

●間違えると危険!食事中にむせた時の正しい対処法

 

<むせた時のNG行動>

・背中を叩く

むせている時に背中を叩くと、食べ物が誤って気管の奥に入ってしまう事があるそうです。

 

・水を飲む

液体は、のどの通過速度が速いので余計にむせを誘発する可能性があるそうです。

 

<むせた時の正しい対処法>

先生によると、ポイントは「前かがみ」になる事。身体を起こした姿勢で咳をしても

誤嚥した食べ物は重力に負けて、気管からなかなか出てきませんが、前かがみになると気管が水平に近づき、誤嚥した食べ物が咳で出て来やすくなるのだとか。むせた時は、上半身を思いきり前に倒して気管が水平になるようにし、咳をして出すようにしましょう。

 

●患者数が急増!?のどの違和感に隠された大病「咽頭がん」

 

<咽頭がんとは?>

咽頭がんとは、食道の上にある咽頭にできるがんの事。咽頭がんの患者は増加しており、口にできるがんは、咽頭がんを含め、発生率が30年で約3倍になっているそうです。

 

<咽頭がんの原因の1つ「ヒトパピローマウイルス」>

先生によると、咽頭がんの原因の1つは「ヒトパピローマウイルス」。このウイルスは、多くの人が感染しますが、約90%は自然に治癒するのだとか。ところが、稀にウイルスが残ると長期間潜伏し、咽頭がんなどの原因になるといわれているそうです。

※咽頭がんの予防ワクチンの接種は医療機関で相談してください(保険適用外)

 

<のどの違和感が続く場合は耳鼻咽喉科などの専門医へ>

咽頭がんの初期症状は、のどの軽い違和感など、自覚症状が乏しいそうです。そのため、放置してしまう人も少なくないのだとか。先生によると、軽い風邪をひいた時のようなのどの違和感が3~4週間続く場合は、風邪以外の可能性が考えられるとの事。早期発見のために、気になる方は耳鼻咽喉科などの専門医にご相談ください。

 

(2023年5月7日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)