解熱剤カロナール不足「買い占め控えて」 厚労省、必要な患者を優先
解熱鎮痛剤として使う市販薬「カロナール」について、後藤茂之厚生労働相は29日の閣議後会見で、新型コロナウイルスの感染拡大で需要が急増し、一部で供給不足が生じていると明らかにした。医療機関や薬局に対し、買い占めをしないように呼びかけ、ほかの薬が使える患者には処方や販売を控えるように求める通知を同日に出す。
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カロナールは、アセトアミノフェンの成分を使う解熱鎮痛薬の商品名で、子どもや妊婦も含めて幅広く使える。厚労省によると、一部の製薬企業が出荷を絞る「出荷調整」を今月から始めたという。
ただ、解熱鎮痛薬はほかにもあり、15歳以上にはロキソプロフェンを成分とする薬、子どもに対してもイブプロフェンを成分とする薬が使える。後藤氏は、カロナールについて「必要とする患者に優先的に供給できるようにする」と述べ、ほかの薬が使える患者には使用を控えてもらう方針を示した。今後も、感染状況や薬の需給状況を注視していくという。(市野塊)
朝日新聞社