紫外線が皮膚を狙っている? 皮膚がん「メラノーマ」予防にも日焼け止めなどでしっかり肌ケアを
これから夏に向けて、紫外線が気になる季節。肌がダメージを受けやすいので注意が必要です。シミやシワの原因になるのはもちろん、皮膚がんを誘発するなど、皮膚にとっては大敵と言っていいでしょう。紫外線から日々しっかりと肌を守りたいものです。
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■ほくろに似たシミに要注意!それは「メラノーマ(悪性黒色腫)」かも
紫外線は日本では太陽が最も地球に近づく6月の夏至(2022年は6月21日)の頃にピークを迎えるといわれ、8月まで強い状態で降り注がれています。
紫外線は皮膚でビタミンDを合成しますが、エネルギーの強さからシワやシミなどになりやすく、中でも怖いのは皮膚がんの確率を高めることです。さらに紫外線が影響する皮膚がんの中でも悪性度が高いと恐れられているのがメラニンを作るメラノサイト(色素細胞)のがん「メラノーマ(悪性黒色腫)」です。悪化すると、皮膚の深部に入り込み、血管と通って体中に転移することもあるそうです。
メラノーマは皮膚の色素が少なく、紫外線に抵抗力の弱い白色人種の方が有色人種より発生率は高いようですが、オゾン層の破壊が進み、地上に降り注ぐ紫外線の量が増えているため、日本でもかかる人は増加傾向にあるといわれています。
■早期発見・早期治療が大切 肌のケアもお忘れなく
メラノーマの症状としは皮膚にほくろのようなふくらみができたら要注意です。初期は淡褐色から真っ黒なシミのようにも見える斑点ができることが多いようです。「ほくろが突然できたと思った」という声もあるとか。そして、ほくろとかシミに見えるものが時間とともに大きくなっていくといいます。
しかも、意外なことに日本人に最も多い発症部位は足の裏だとか。入浴の折などに、足の裏や体、顔面、爪などにシミなどができていないか、チェックしてみてください。
病気の進行が早く、治療は手術による切除が基本のようです。手術をしても早い時期に再発や転移することも稀ではないといいます。気になったら、すぐに皮膚科の専門医に診てもらうことです。
予防策は日焼け止めクリームをはじめUVカットの化粧品、帽子、日傘など日頃から紫外線防止に務めることが大切です。また、スポーツや海水浴だけでなく、外に出ることが多い人も紫外線にさらされています。曇りの日でも少量といえども紫外線は届いていますので油断せず、注意が必要です。
◆尾原 徹司 東京医科大学卒業。東京女子医科大学消化器病センターを経て、神戸鐘紡病院消化器科に赴任。昭和57(1982)年に独立し、医療法人社団つかさ会「尾原病院」(神戸市須磨区妙法寺荒打/神戸市営地下鉄西神山手線妙法寺駅徒歩3分)院長に。
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