エビングハウスの忘却曲線、ロキ・メソッド、チャンキング、Category Clustering Recall Strategy、リハーサル、Reconsolidation、分散効果、インターリーブ、(禁酒、運動、カロリー制限)などの記憶に関する理論を応用して、日々の学習をおこなっている方もいらっしゃるのではないかと思います。
先日、衝撃的な論文が発表されました。その論文文献)によれば、忘れた記憶を回復させる可能性のある薬があるとのことです。その薬というのは、耳鼻科ではたびたび処方されるベタヒスチンメシル(メリスロン)という薬です。めまい患者様に対して、たびたび処方される薬で、耳鼻科医にとっては馴染みがあります。副作用が少ないため、よく処方されます。当院でも処方しておりますので、処方をうけた患者様から、是非、フィードバックをいただきたいです。ちなみに、当該論文に接した後、私はめまい症状がないものの、密かに(実は公然と)内服を開始しました。
■ ベタヒスチンメシル(メリスロン)は、当院で処方できます。
【当院では、 モダフィニル(モディオダール)、メチルフェニデート(リタリン)の処方はおこなっておりません】
文献)
Title: Central histamine boosts perirhinal cortex activity and restores forgotten object memories.
Author(s): Hiroshi Nomura; Hiroto Mizuta; Hiroaki Norimoto ; et al.
Source: Biological Psychiatry, 8 January 2019
DOI: 10.1016/j.biopsych.2018.11.009
【上記文献の注意事項】
忘れた記憶を回復させる可能性が示唆された論文ではあるものの、
1.被験者は20歳代が中心であること
2.被験者は38名であり、パイロットスタディであること
3.通常服用量の3~6倍の用量であったこと
などの留意事項があります。